PhotoCraft|Rust製のPhotoshop互換オープンソース画像編集アプリ
PhotoCraftは、Rustでクリーンルーム再実装されたオープンソースの画像編集ツールです。PSDの読み書きに対応し、GPU合成と、ローカルで動く被写体選択などのスマート選択機能を備えます。
ポイント
- Photoshopと互換性のあるレイヤーやPSDファイルの処理をRustネイティブで実現
- wgpuベースのGPUコンポジタによる軽快なプレビューとマルチスレッド処理
- 早期アルファ版として公開され、CLIやMCP経由での外部操作(AIエージェント対応)も可能
概要・解決する課題
メニュー配置やショートカット(⌘J、⇧⌘D など)をPhotoshopに合わせてあり、Photoshopに慣れた人がそのまま手を動かせる設計です。描画はwgpuを用いたGPUコンポジタ(Metal、Vulkan、DX12、WebGPU)で行い、ElectronやWebビューは使いません。
PSDは読み書きでき、psd-toolsのテストファイル309個のうち307個で、開いて保存し直してもレンダリング結果が変わらないとされています。被写体選択などのスマート選択も手元のマシンで動き、クラウドやアカウントは不要です。
ただし、現在は早期アルファ(early alpha)段階です。README自身が「日常のプロ業務でPhotoshopを置き換えられる段階ではない」と明言しており、生成AI機能、約20のツール、文字組みの深さ、プラグイン互換などが未対応です。
なぜ注目されているか
Adobeのコードや素材を使わず、公開仕様と観察した挙動だけから作る「クリーンルーム再実装」を、100% Rustで進めている点が特徴です。調整レイヤー16種、ツール34種、27の描画モード、8/16/32bit・CMYK/Labといった機能が、すでに一通り揃っています。
もう一つの特徴は、すべての操作が500以上のコマンドとして一元登録されていることです。UI・CLI・JSONコントロールチャネル・MCPサーバーが同じコマンドを呼ぶため、クリックできる操作はスクリプトやAIエージェントからも実行できます。
主なユースケース
- PSDファイルのコマンドライン処理や自動化 UIだけでなく、CLIやJSONコントロールチャネル、MCP(Model Context Protocol)サーバーを介して操作可能なため、プログラムやAIエージェントから画像編集を制御できます。
- クラウドに上げずに済ませたい画像編集 オフラインで動き、被写体選択などのスマート選択も手元のマシンで処理されます。アカウント登録も不要です。
動作環境
- 対応OS: macOS, Windows, Linux, FreeBSD, Web(ブラウザ対応)
- グラフィックスAPI: Metal, Vulkan, DirectX 12, WebGPU(wgpuを使用)
始め方(クイックスタート)
一番手軽なのは、公式サイト(getartcraft.com/apps/photocraft)またはGitHub Releasesからインストーラを入手する方法です。macOS(dmg)、Windows(msi/ポータブル版)、Linux(AppImage・Flatpak・deb・rpm)、FreeBSD、Web版がそろっています。
ソースからビルドする場合はRustのツールチェーンを使います。
git clone https://github.com/storytold/photocraft
cd photocraft
cargo run --release -p photocraft -- image.psd # デスクトップアプリ
CLIから編集を自動化する例です(README より)。
photocraft-cli run wave.psd \
--cmd filter.sharpen.smartSharpen --params '{"amount":80}' \
--out wave-final.png
# AIエージェントからMCP経由で操作する
photocraft-cli mcp
実際に使ってみて
macOS版(v0.5.0)のCLIをMCPサーバーとしてClaude Codeにつなぎ、日本語で頼むだけで3枚編集してみた(素材画像は生成AIで作成)。Claudeは使うコマンドを自分で一覧から探して実行し、3枚とも仕上がった。
背景をぼかす
「マグカップ以外をぼかして」は、最初の「被写体を選択」で本棚と観葉植物の方が選ばれ、マグカップが外れた(白い部分が選択外)。

マグのまわりを矩形で指定する「オブジェクト選択」に切り替えると、取っ手の内側まできれいに切り抜けた。

トーンカーブで明るくする
暗い写真を明るくしてメリハリをつける作業は、一発で通った。

文字を入れる
同梱のしっぽり明朝で日本語が崩れずに出て、ドロップシャドウも付いた。ただ、Claude側の位置の見積もりが甘く、最初は文字が右端からはみ出した。

使ってみての感想
正直、1枚を仕上げるだけなら手でやるのと大差ない。それでも、Photoshopの操作を知らなくても依頼すれば通るのは強いと感じた。使ったコマンド列はそのままCLIの一括処理(photocraft-cli batch)に渡せる形なので、同じ調整を何十枚にもかけるなら差はもっと開きそう。
こんな人におすすめ
- Rust製の高性能なデスクトップアプリに興味がある開発者
- Photoshopの操作感のまま、オープンソースのツールを試してみたいデザイナー
- AIエージェントや外部スクリプトから画像編集ソフトウェアを自動制御したいエンジニア
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